去る5月17日、第106回備中杜氏自醸清酒品評会が岡山コンベンションセンター（ママカリフォーラム）で開かれました。
私は、2部の審査員を拝命。
昨年に続いて、市販酒の審査をさせていただきました。
品評会は今年も下記の2部構成で実施されました。
【第1部】
・備中杜氏組合員の自醸酒で、令和4酒造年度の新酒（原酒）
・出品点数：16場 25点
【2部】
・岡山県産米100％使用した自醸酒
・カプロン酸エチル高生産性酵母を使用した清酒の出品不可
・出品点数：17場 28点 ＋ 参考出品として司牡丹 浅野 徹氏
両部門の結果は以下の通りです。
受賞された杜氏、酒造場のみなさま、おめでとうございます。
そして、出品、参加されたみなさま、素晴らしい出品酒の数々をありがとうございました。
＜褒章：1部＞
最優秀酒造場：白菊酒造
最優秀杜氏：三宅 祐治 氏（白菊酒造）
第二位杜氏：半田 尚 氏（醉心山根本店）
第三位杜氏：岡﨑 達郎 氏（宮下酒造）
連続出品賞（15年連続出品）：丸本 仁一郎 氏（丸本酒造）、板野 文伸 氏（板野酒造本店）
松尾大社顕彰状：三宅 祐治 氏（白菊酒造）
＜褒章：第2部＞
第一位：山成酒造 渡邊 良夫 氏 純米 蘭の誉
第二位：宮下酒造 岡﨑 達郎 氏 純米大吟醸 天地（あめつち）のかなで
第三位：平喜酒造 原 潔巳 氏 喜平 純米吟醸 木桶仕込
第四位：落酒造場 落 昇 氏 特別純米 RISING 60
第五位：嘉美心酒造 内倉 直 氏 嘉美心 純米吟醸
（第四位の落酒造場 落昇氏は欠席）
さて、ここからは担当させていただいた第2部の審査について振り返ります。
第2部の審査を行っての個人的な感想として、きれいな甘みがあって軽快で滑らかな酒質のものが多く、全体的にハイレベルなお酒がそろっていた印象を強く受けました。
一方で、甘酸っぱくジューシーな印象のお酒も散見され、仕上がりバランスの難しさを感じました。
また、第2部については清酒の分類や醸造年度の制限がなかったため、バラエティに富んだ酒を横一列で評価するのはとても難しかったです。
その分、1点1点のお酒としっかり向き合って評価することを心掛けました。
そんな中、個人的には米の特性を引き出したふくよかでうま味の抑揚が感じられる、備中杜氏らしいお酒は何かを考えながら敬意をもって評価させていただいたつもりです。
この第2部については、市販酒の品評会の枠を超え、備中杜氏の酒の魅力や特色について造り手同士で見つめなおしたり積極的に研鑽し合ったりする場になるといいですね。
そうして備中杜氏組合と備中杜氏が手掛ける酒がますます発展することを心から願い、これからも応援したいと思います。
また、品評会終了後は、組合に所属する杜氏をはじめ、県内の大学生やその関係者を招いてのきき酒会も行われました。
会場のキャパの関係で参加人数は限られていましたが、こうした機会はできれば県内の酒販店さんや飲食店さんにも提供されるといいですね。
最後に受賞酒をあらためて紹介。
みなさま、このたびはまことにおめでとうございました！
そして、今年も貴重な機会を与えてくださった備中杜氏組合に感謝申し上げます。
writer ICHIDA の “日本酒PRESS”！ 
「第106回 備中杜氏自醸清酒品評会 開催（2023.5.17）。今年も第2部の審査員を務めました。」への1件のフィードバック