【受講生の皆さま】山陽新聞カルチャー「知る、嗜む 日本酒の魅力」9月の案内。

【日本酒講座 受講生の皆さまへ】

最近謝ってばかりですが……出張続きで連絡が遅くなり、申し訳ありません。

さて、山陽新聞カルチャー日本酒講座「知る、嗜む 日本酒の魅力」。
第3回は、今週9月9日(金)18:30~ 山陽新聞カルチャープラザ 岡山天満屋教室で行います。

やむを得ず欠席される方は、明日9月7日(水)中に講師宛てにご連絡ください。(連絡が遅くなったので、通常より一日遅い期限にさせていただきました)
連絡は講師携帯電話、メールのほか、下記フォームからも可能です。

よろしくお願いします。

岡山のパクチーは、ひと味違う。”岡パク”×日本酒の相性に、発見多々。

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魚介や野菜、果物。
岡山の食材に目を向けると、その豊かさに感心します。
地の食と酒は、切っても切れない縁。
もっと生産者さんと出会い、掘り下げたいなぁ。

最近メディアなどで話題のパクチーも、その一つ。
黄ニラで一躍有名になった岡山市北区の玉柏・牟佐地区では、なんと16年も前から地道に栽培を続けてきたとか。
地元・岡山でも、最近までほとんど知られていませんでした。
あまりにもったいない!
ということで、自らもパクチー生産者で日本酒大好きな「黄ニラ大使」植田輝義さんの希望もあり、食や酒のスペシャリストが集合し、パクチー料理と日本酒との未知なる相性検証会をキックオフ。
岡山の食材を使った料理を多く提供している「cooking of art ikiya」さんに協力いただき、早速第1回を実施しました。

ちなみに、ikiyaさんでは岡山パクチー(通称・岡パク)を使った料理が通常メニューにオンされています。
ぜひぜひ、お試しを!

岡山パクチーのクリームチーズ×sweet 10

まずは、岡パクのクリームチーズが登場。
爽やかなハーブの香りが、ほんのりと。
この香りが穏やかでマイルドなところが、岡パクの特徴です。
理由を大使に訊いたところ、香りマイルドで甘味を感じる品種を選択して栽培しているのだそうで。

香りを抑えたパクチーなんて、パクチーではない――そんな批判を受けながらも辛抱強く栽培を続けてきた甲斐あって、今は全国から取材が殺到。
単なる香草として料理に添えるだけでなく、ちゃんと食材として料理に貢献する。
そんな立ち位置を築きつつあるのも、岡パクなのです。

▽モンげ~!!岡山パクチー▽
 http://www.kinirataishi.com/okayama-paxi.htm

そんな岡パククリームチーズに最初に合わせてみたのが、神亀酒造さん(埼玉県)の「sweet10」(上写真)。
麹甘酒四段仕込みの生原酒。
日本酒度が-10だから、sweet10、ですか。
岡山と倉敷に店舗を持つワインショップ武田さんが持参してくださいました。
なんでも蔵元がパクチーに合うと提案されているそうで、本検証会開催のきっかけとなった1本でもあります。

イマドキの甘酸系……で片づけてはいけない。
騙されたと思ってクリームチーズに合わせてみたら……ほう。合う!
パクチーの柔らかな香りと甘くて爽やかな味が、ふわりと口中で広がるのです。

岡山パクチーのクリームチーズ×MELLOW

続く、来福酒造さんの貴醸酒「MELLOW」。
これも、岡パククリームチーズとよく合いました。
数値は非公開のようですが、こちらも日本酒度はかなりのマイナス値。
一方で厚みのある酸を感じ、こうした酒質傾向がパクチーと好相性を見せるひとつのカタチなのかな、と。
そういえば、クリームチーズに黒コショウなど、ちょっとスパイシーな要素を加えたら、もっと映えるのではない?という意見も。
パクチーが手に入ったら、自分でも試してみたい。

あまりのおいしさに写真を撮り忘れたのが、続いて出された岡パクの「ぬた」
お酒と料理、互いのおいしさが、見事に相乗。
このぬたとsweet10の組み合わせは、今日イチでした!

続く一皿、岡パクのサラダは、トマトや玉ねぎとともにパクチーが皿一杯に盛られた一品。
八海山のスパークリングとともにいただきましたが、これがまたワシワシといただけます。
ごま油の香りがふわっと立って、岡パクの風味とも相性よし。

一方で、別の発泡性の甘口純米酒を合わせると、双方の味がぼやける現象も。
甘ければいいというものでもないのですが、傾向はなんとなくわかった気がします。

パクチーの根っこの素揚げ

ところで、パクチーって葉の部分のことしか考えていませんでしたが、根っこが最高に旨いのです。
知りませんでした。
タイなど海外では、根っこを普通に料理に使うのですね。
今回は素揚げで。
これ、おいしい!絶対に揚げたてを食べるべし!

根菜類によくあるような、繊維質の食感と、ほくほくと膨らむ旨み。
噛むほどに口中に立ちのぼる香りには、パクチーの葉の部分の爽快感がありながら、とてもやわらか。
このあたりになってくると、山廃系の純米酒もぴったり。
ちなみに、この日の山廃は十八盛さんの「多賀治」山廃純米 雄町でした。

驚きました。
パクチーは使う場所や調理法によって、さまざまなタイプのお酒と寄り添うのですね。
岡パクのかき揚げ

パクチーのかき揚げも、噛むと広がるパクチーの香りが最高。

パク塩

かき揚げに添えて出されたこのお塩もまた、パクチー!
通称「パク塩」(笑)。
揚げたパクチーと塩を合わせた一品は、商品化を希望します!
次々に姿を変えるパクチーの七変化に、すっかりはまってしまいました。

岡山パクチーの軍艦巻きと黄ニラのお寿司

さらにさらに、黄ニラのお寿司とともに出てきたパクチーの軍艦巻きにも圧倒。
甘目の寿司酢とパクチーって、本当によく合うのですね。

岡パク入り鯛の潮汁

最後の最後に供された潮汁にも、パクチーが。
香りがおだやかな岡パクは、出汁の風味を壊しません。

いつか、これだけのコースと岡山の地酒のコンビで構成できたら最高なのだけどなー。
引き続き岡パクの横顔をさまざまな料理で検証するとともに、日本酒との相性も追求していきたいと思います。

岡パクを使った色んな料理を提供してくださったikiyaさん、ありがとうございました。
ご一緒した皆様も、ありがとうございました。

山陽新聞カルチャープラザ「知る、嗜む 日本酒の魅力」。8月度は日本酒の味わいについて、さまざまな角度からアプローチ。

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日本酒講座(8月)試飲酒

お盆絡みで通常より一週間遅れで実施した、今回の日本酒講座。
新規受講生と継続受講生が入り混じる中、伝えるべきことは毎期しっかりとおさえる一方、何かひとつは新しい発見や驚きを得てもらおうと、毎回ない知恵を絞っています。

このたびのテーマは、毎度おなじみの特定名称酒を主体とした日本酒のタイプの解説。
さらには、旨い日本酒をより旨く味わうため、日本酒の味わいについて成分や構成など 少しマニアックな視点も交えつつお伝えしてみました。
一つは、ラベルに表示されている表示(日本酒度、酸度、アミノ酸度)から読み解く味わい。
甘口、辛口の実態にも迫りました。
さらには、普段なんとなく口にしている「コク」や「キレ」のニュアンスについても、受講生の皆さんとの意見交換を交えながら掘り下げてみました。

本講座では、日本酒の魅力を知りつつある飲み手の皆さんに、いかに第三者…たとえばお友達、あるいは飲食店や酒販店でオーダーする際にも自分の言葉でニュアンスが伝えることができるかに重きを置き、なるべく多くの方に味のイメージが分かりやすく伝わる手段を提供できればと考えています。
味わいのモノサシは人によって、また好みによっても異なる難しさはありますが、少しでも皆さんにとってヒントになれば幸いです。

講義のあとは、実際にきき酒して味のニュアンスを確認。
セレクトした5種類のお酒は、見事に味のタイプが異なります。
それぞれを飲み比べれば、解説した味の違いも見極めやすいのではとの狙いです。
受講生の皆さんにもその意図が伝わったのはもちろんのこと、どのお酒も評判がよく、選んでよかったと安堵。

日本酒講座(8月)おつまみ

本講座の週初めに胃腸をぶっ壊す夏風邪に襲われ、果たして準備が間に合うのかと不安になりましたが、おつまみもなんとか手配ができ。
過去にない綱渡りの準備は、まあいい経験になりました。
なんとななるさ、でしょうか。

御苑(みその)

ところで、前期まで継続受講してくださっていた方が こんなお酒を差し入れしてくださったので、みんなでシェア。
宮内庁の売店でのみ購入できるお酒だそうで、酒銘は「御苑(みその)」。
「川中島」や「幻舞」を醸す酒千蔵野(長野県長野市)が醸造を手掛けているとのこと。
知らなかった~。

落ち着いた香りと滑らかな口当たり。
王道の純米大吟醸酒。
講座のために、東京にいるご子息から送ってもらったそうで。
みんなとじっくりありがたく味わいました。
ありがとうございました!

◇今回の試飲酒◇
出羽桜 桜花吟醸酒(出羽桜酒造=山形県)
越乃寒梅 灑(さい)純米吟醸(石本酒造=新潟県)
結ゆい 特別純米酒 あかいわさんおまち 亀口直汲み生原酒(結城酒造=茨城県)
多賀治 山廃純米雄町 無濾過火入れ原酒(十八盛酒造=岡山県)
七本鎗 純米 滋賀渡船6号(冨田酒造=滋賀県)

 

【受講生の皆さま】山陽新聞カルチャー「知る、嗜む 日本酒の魅力」8月の案内。

【日本酒講座 受講生の皆さまへ】

すみません、体調不良で連絡が遅くなり、大変申し訳ありませんでした。
山陽新聞カルチャー日本酒講座「知る、嗜む 日本酒の魅力」。
第2回は、8月19日(金)18:30~ 山陽新聞カルチャープラザ 岡山天満屋教室で行います。

やむを得ず欠席される方は、8月17日(水)中に講師宛てにご連絡ください。(連絡が遅くなったので、通常より一日遅い期限にさせていただきました)
連絡は講師携帯電話、メールのほか、下記フォームからも可能です。

みなさんは夏風邪をひいたりしていませんか?
講師は8月の上旬に一発目、治りかけたつい先日二発目を発症しました……。
しかも二発目はお腹に来て、もう大変(本日点滴のトホホ)。
この調子だと、週末の講座ではお酒が飲めないかもしれません。
みなさんはどうか、体調にはお気をつけて。

遅ればせながら…大山(だいせん)の麓に広がる圃場で、強力米と雄町米の生育を見届ける。

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風車のある田園風景雄町と朝日の圃場を岡山で見学した翌日は、鳥取県へ。
「日置桜」を醸す山根酒造場の山根正紀社長にお願いをして、大山(だいせん)のおひざ元に広がる黒ボク土壌の圃場ですくすくと育つ強力米と雄町米を見せていただきました。

倉敷市で雄町米の栽培を手掛ける「まめ農園」の目黒貴之さんが道案内をしてくれたおかげで、現地までの道中は順調そのもの。
集合時間までゆとりがあったので、生産者さんのお宅を訪ねる前に、日本海のほど近くにある田園風景を撮影。
ひんやりとした風が吹き下りる、絶好のロケーション。
カメラを構えると、日本海の海岸線を走る国道9号に沿って林立する風力発電の風車に、思わず目を奪われるのでした。

現地に到着後、早速 生産者の杉山さんに導かれて圃場をぐるり。
強力米と、今年栽培をはじめた雄町米の田んぼを見せていただきました。

黒ボク土壌①

今回の見学で一番興味があったのが、この土壌。
黒ボクと言われる火山灰土などが堆積してできた土壌はその名の通り黒い土で、触れてみると滑りがよく、きめが細かい。
見た目の印象から粘土質のイメージを勝手に抱いていたのですが(ド素人)、実際は保水・排水ともに優れた土質なのだとか。

雄町米ももとはといえば、伯耆大山で発見されたといわれる品種。
現在、岡山県で品質のよい雄町米が多く栽培されている背景には「砂礫土」と言われる水はけのよい土壌が関係しているとも聞き、相通じる部分を感じた次第。

黒ボク土壌②

黒ボク土を手に取ってみると確かに繊細で滑らかな手触りでした。

黒ボク土壌の雄町圃場の景色

その黒ボク土壌で育つ雄町米を拝見。
杉山さんにとっては初めての栽培で 戸惑いも何かとあったようですが、岡山とほぼ同じ栽培暦で 生育はいたって順調。
山から海に向けて吹き抜ける風に心地よさそうになびく姿が印象的でした。

雄町の分けつ

「強力と雄町では、分けつの進み方が違う」と言っていた、山根社長。
まずは、雄町から拝見。
こちらの方が分けつの進みが早いのか、旺盛な印象。
雄町の分けつ②

強力の圃場①

強力の田んぼも拝見。
この間、何カ所か強力と雄町の圃場を転々と見学してここに至るわけですが、大山の麓に広がる扇状地に点在する田んぼで栽培しているため、場所によって土の色や気温も微妙に異なります。

強力の分けつぱっと見た感じでは分かりづらいですが、やはり雄町の分けつの方が旺盛な感じ。
とはいえ、強力も雄町もしゃんと根差していて、何より心地よさそうにたたずんでいます。
土壌や環境は、そう簡単に変えられないわけで、大きな財産だなとしみじみ。
叶うことなら、出穂以降にあらためて様子をうかがってみたいものです。
なにより、岡山の砂礫土と鳥取の黒ボク土で、米質にどんな違いが出るのか。
気候等の差も当然ありますが、興味がつきません。

もともと強力と雄町はその出自はもとより性質も非常によく似ているといいます。
「里帰り」ともいえる鳥取県での雄町の栽培が今後どんな発展を生むのかは個人的に楽しみであり、これをきっかけに隣県同士、酒米を通じた交流ができれば面白いのにな、とも。

むしろ酒造りよりも奥が深いと感じる、米作りの世界。
各所を訪ねるたびに発見があり、もっと知りたい、学びたい欲が増すばかりです。