山陽新聞カルチャープラザ「知る、嗜む 日本酒の魅力」。8月度は日本酒の味わいについて、さまざまな角度からアプローチ。

タグ

, ,

日本酒講座(8月)試飲酒

お盆絡みで通常より一週間遅れで実施した、今回の日本酒講座。
新規受講生と継続受講生が入り混じる中、伝えるべきことは毎期しっかりとおさえる一方、何かひとつは新しい発見や驚きを得てもらおうと、毎回ない知恵を絞っています。

このたびのテーマは、毎度おなじみの特定名称酒を主体とした日本酒のタイプの解説。
さらには、旨い日本酒をより旨く味わうため、日本酒の味わいについて成分や構成など 少しマニアックな視点も交えつつお伝えしてみました。
一つは、ラベルに表示されている表示(日本酒度、酸度、アミノ酸度)から読み解く味わい。
甘口、辛口の実態にも迫りました。
さらには、普段なんとなく口にしている「コク」や「キレ」のニュアンスについても、受講生の皆さんとの意見交換を交えながら掘り下げてみました。

本講座では、日本酒の魅力を知りつつある飲み手の皆さんに、いかに第三者…たとえばお友達、あるいは飲食店や酒販店でオーダーする際にも自分の言葉でニュアンスが伝えることができるかに重きを置き、なるべく多くの方に味のイメージが分かりやすく伝わる手段を提供できればと考えています。
味わいのモノサシは人によって、また好みによっても異なる難しさはありますが、少しでも皆さんにとってヒントになれば幸いです。

講義のあとは、実際にきき酒して味のニュアンスを確認。
セレクトした5種類のお酒は、見事に味のタイプが異なります。
それぞれを飲み比べれば、解説した味の違いも見極めやすいのではとの狙いです。
受講生の皆さんにもその意図が伝わったのはもちろんのこと、どのお酒も評判がよく、選んでよかったと安堵。

日本酒講座(8月)おつまみ

本講座の週初めに胃腸をぶっ壊す夏風邪に襲われ、果たして準備が間に合うのかと不安になりましたが、おつまみもなんとか手配ができ。
過去にない綱渡りの準備は、まあいい経験になりました。
なんとななるさ、でしょうか。

御苑(みその)

ところで、前期まで継続受講してくださっていた方が こんなお酒を差し入れしてくださったので、みんなでシェア。
宮内庁の売店でのみ購入できるお酒だそうで、酒銘は「御苑(みその)」。
「川中島」や「幻舞」を醸す酒千蔵野(長野県長野市)が醸造を手掛けているとのこと。
知らなかった~。

落ち着いた香りと滑らかな口当たり。
王道の純米大吟醸酒。
講座のために、東京にいるご子息から送ってもらったそうで。
みんなとじっくりありがたく味わいました。
ありがとうございました!

◇今回の試飲酒◇
出羽桜 桜花吟醸酒(出羽桜酒造=山形県)
越乃寒梅 灑(さい)純米吟醸(石本酒造=新潟県)
結ゆい 特別純米酒 あかいわさんおまち 亀口直汲み生原酒(結城酒造=茨城県)
多賀治 山廃純米雄町 無濾過火入れ原酒(十八盛酒造=岡山県)
七本鎗 純米 滋賀渡船6号(冨田酒造=滋賀県)

 

【受講生の皆さま】山陽新聞カルチャー「知る、嗜む 日本酒の魅力」8月の案内。

【日本酒講座 受講生の皆さまへ】

すみません、体調不良で連絡が遅くなり、大変申し訳ありませんでした。
山陽新聞カルチャー日本酒講座「知る、嗜む 日本酒の魅力」。
第2回は、8月19日(金)18:30~ 山陽新聞カルチャープラザ 岡山天満屋教室で行います。

やむを得ず欠席される方は、8月17日(水)中に講師宛てにご連絡ください。(連絡が遅くなったので、通常より一日遅い期限にさせていただきました)
連絡は講師携帯電話、メールのほか、下記フォームからも可能です。

みなさんは夏風邪をひいたりしていませんか?
講師は8月の上旬に一発目、治りかけたつい先日二発目を発症しました……。
しかも二発目はお腹に来て、もう大変(本日点滴のトホホ)。
この調子だと、週末の講座ではお酒が飲めないかもしれません。
みなさんはどうか、体調にはお気をつけて。

遅ればせながら…大山(だいせん)の麓に広がる圃場で、強力米と雄町米の生育を見届ける。

タグ

, , , , ,

風車のある田園風景雄町と朝日の圃場を岡山で見学した翌日は、鳥取県へ。
「日置桜」を醸す山根酒造場の山根正紀社長にお願いをして、大山(だいせん)のおひざ元に広がる黒ボク土壌の圃場ですくすくと育つ強力米と雄町米を見せていただきました。

倉敷市で雄町米の栽培を手掛ける「まめ農園」の目黒貴之さんが道案内をしてくれたおかげで、現地までの道中は順調そのもの。
集合時間までゆとりがあったので、生産者さんのお宅を訪ねる前に、日本海のほど近くにある田園風景を撮影。
ひんやりとした風が吹き下りる、絶好のロケーション。
カメラを構えると、日本海の海岸線を走る国道9号に沿って林立する風力発電の風車に、思わず目を奪われるのでした。

現地に到着後、早速 生産者の杉山さんに導かれて圃場をぐるり。
強力米と、今年栽培をはじめた雄町米の田んぼを見せていただきました。

黒ボク土壌①

今回の見学で一番興味があったのが、この土壌。
黒ボクと言われる火山灰土などが堆積してできた土壌はその名の通り黒い土で、触れてみると滑りがよく、きめが細かい。
見た目の印象から粘土質のイメージを勝手に抱いていたのですが(ド素人)、実際は保水・排水ともに優れた土質なのだとか。

雄町米ももとはといえば、伯耆大山で発見されたといわれる品種。
現在、岡山県で品質のよい雄町米が多く栽培されている背景には「砂礫土」と言われる水はけのよい土壌が関係しているとも聞き、相通じる部分を感じた次第。

黒ボク土壌②

黒ボク土を手に取ってみると確かに繊細で滑らかな手触りでした。

黒ボク土壌の雄町圃場の景色

その黒ボク土壌で育つ雄町米を拝見。
杉山さんにとっては初めての栽培で 戸惑いも何かとあったようですが、岡山とほぼ同じ栽培暦で 生育はいたって順調。
山から海に向けて吹き抜ける風に心地よさそうになびく姿が印象的でした。

雄町の分けつ

「強力と雄町では、分けつの進み方が違う」と言っていた、山根社長。
まずは、雄町から拝見。
こちらの方が分けつの進みが早いのか、旺盛な印象。
雄町の分けつ②

強力の圃場①

強力の田んぼも拝見。
この間、何カ所か強力と雄町の圃場を転々と見学してここに至るわけですが、大山の麓に広がる扇状地に点在する田んぼで栽培しているため、場所によって土の色や気温も微妙に異なります。

強力の分けつぱっと見た感じでは分かりづらいですが、やはり雄町の分けつの方が旺盛な感じ。
とはいえ、強力も雄町もしゃんと根差していて、何より心地よさそうにたたずんでいます。
土壌や環境は、そう簡単に変えられないわけで、大きな財産だなとしみじみ。
叶うことなら、出穂以降にあらためて様子をうかがってみたいものです。
なにより、岡山の砂礫土と鳥取の黒ボク土で、米質にどんな違いが出るのか。
気候等の差も当然ありますが、興味がつきません。

もともと強力と雄町はその出自はもとより性質も非常によく似ているといいます。
「里帰り」ともいえる鳥取県での雄町の栽培が今後どんな発展を生むのかは個人的に楽しみであり、これをきっかけに隣県同士、酒米を通じた交流ができれば面白いのにな、とも。

むしろ酒造りよりも奥が深いと感じる、米作りの世界。
各所を訪ねるたびに発見があり、もっと知りたい、学びたい欲が増すばかりです。

『酒蔵萬流』(新中野工業刊)、創刊10号を迎えました。

タグ

酒蔵萬流第10号
2014年4月に創刊。
以来、3か月ごとの発行を経て、今月20日、『酒蔵萬流』第10号が発行されました(新中野工業発行)
蔵元をはじめとする業界関係者が読者とあって、創刊当初は書かせていただくことに相当な重圧を感じていました。
しかし、回を重ねるにつれて知識が徐々に増し、本誌の路線が浸透して以降は、取材も幾分要領を得てきたように思います。

何より、取材でお世話になった皆様やスタッフの力が大きいのです。
その力に感謝しつつ、「書いてもいいよ」と言っていただける限り尽力したいと思います。

今号は、以下の取材記事を担当しました。
—————————
【 酒蔵紀行 】
新澤醸造店(伯楽星・愛宕の松=宮城県大崎市)
「究極の食中酒」を追求する新澤醸造店の今を支える 確固たる酒造りの哲学と、数多の挑戦を支えた同志にまつわるエピソードを紹介。超高精米の酒に新たな世界観を付与した蔵元が見据える日本酒の可能性にも触れました。
秋田清酒(出羽鶴・やまとしずく・刈穂=秋田県大仙市)
酒質、販路ともに異なる主要2銘柄の瓶詰・販売を秋田清酒が担う独自の戦略とともに、全量純米酒化を目指す「出羽鶴」ブランドの挑戦に触れ、量と質の両立を目指す同社の取り組みを追いました。
若戎酒造(若戎・義左衛門=三重県伊賀市)
時代を先読みし、先手先手の経営で銘柄を全国区に育て上げた同蔵の足跡。その中で生まれた「義左衛門」誕生にまつわるエピソードも紹介。新体制で臨むこれからの酒造りについてもうかがいました。
惣誉酒造(惣誉=栃木県市貝町)
醸造量の9割が栃木県内で流通。真の「地の酒」にこだわる惣誉酒造の理念に触れ、飲み手が日々愛飲する酒を支えるブレンド技術の重要性を説きました。2001年に復活させた生酛造りへの想いや可能性に関する言及も。

【 取材 】
岡山県産雄町唎き酒会
5月末に博多と仙台で開催された唎き酒会のレポート。参加した蔵元や酒販店にインタビューを敢行し、最近の雄町米の酒についての感想や、それぞれが考える「雄町らしさ」について取り上げました。
IWC2016「SAKE部門」メダル&トロフィー受賞酒発表会
設立10周年の節目に兵庫県神戸市で開催された同イベントをレポート。トロフィー受賞蔵や主催者の声を通して、同品評会が世界にもたらした影響や、今後の発展を標ぼうする上での課題などに触れました。

【 酒場めぐり 】
一心本店(宮城県仙台市)
和台所 花(秋田県大仙市)

ほか、多数の記事が掲載されています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
「酒蔵萬流 2016年夏号 個を生かす」

田植え後約40日の雄町米と朝日米~赤磐市の圃場から。

タグ

, , , ,

赤磐から。7月19日、田植えから40日ほど経った岡山県赤磐市の圃場を訪問。
(注:上の写真は赤磐のいち田園風景であって、雄町・朝日の圃場ではありません。)
梅雨が明け、それまでの雨天・曇天とは打って変わって、真夏の太陽が照り付ける一日でした。

今年は春先からなぜかバタバタで、気が付けば赤磐の圃場訪問はこれが今シーズン初めて。
生産者の藤原さんや岩藤さん、そしてJAの小田さんが時間を作ってくださり、案内してくださいました。
ありがとうございます。

雄町米の圃場

上の写真が、雄町の田んぼ。
葉の色が濃い手前が、雄町です。
この時期は雄町米とほかの品種とで緑のグラデーションを愛でるのが、楽しみのひとつ。
どこまで行っても緑の世界ですが、目にはとてもやさしくて、いつまでも眺めていたい気分。

雄町米の立ち姿

生産者の藤原一章さんに話を聞いたところ、田植えの時期以来続いた梅雨の長雨の影響で日照が不足しているようで、成長が遅れ気味とのこと。
そろそろ中干しの時期に入ってきますが、この調子で好天が続くことを願っています。

中干しには土の中の有害なガスを放出し酸素を補給したり、余分な分けつを抑制したり、はたまた根がしっかりと張らせ茎を太くすることで倒伏防止につなげたりと種々の目的があるわけですが、その方法も生産者によってさまざま。
地面にヒビが入るほどしっかり干す人もいれば、生産者の岩藤英彦さんの場合は地面を踏んだ時に水がじわっと染み出るくらいの干し加減を目指すのだとか。

朝日米の圃場②

そしてこちら(↑)が朝日米。
こちらも田植え後約40日が経過。

朝日米の立ち姿雄町米同様、今は中干しが始まっているはずです。

梅雨が明け、一気に暑くなってからは、日中の田んぼの水温が「お湯」レベル(推定40度くらい)にまで上がるということで、水管理に気を使うとのこと。
高い場所にある田んぼはよいのですが、低い地域は水がなかなか確保できなくて大変みたいです。
水が必要なのは、どの田んぼも同様ですものね……。

あと、今年はイノシシが頻繁に現れるとのこと。
電柵はしていますが、収穫が終わるまで田んぼがどうか無事でありますように……(祈)。

GLOBAL GAPところで、岩藤さん(会長)や藤原さんが所属する「赤坂特産雄町米研究会」は今年3月、適正農業規範の国際基準である「グローバルGAP」の認証を取得。
貴重な認証書も拝見してきました。

赤磐産雄町米のブランド力向上はもとより、海外へ広がる市場で原料米の安全性を担保することを目的に動いた成果であり、日々の米作りと並行しての取組みは相当大変だったそうですが、雄町米の品質、ブランド力を将来にわたって維持向上するための貴重な第一歩なのだと認識しています。

私は直接生産に関わっているわけでもなければ日本酒の造り手でもありませんが、岡山県が誇る雄町米の歴史や文化、そして高い品質と可能性を広く知ってもらうため、情報発信を通して力になれればと考えます。
またおいおい、雄町米や朝日米の生長過程を追って行きます。

※グローバルGAPに関する情報
⇒ ■赤坂特産雄町米研究会がグロ-バルGAP認証取得報告会を開催(5月13日)…東備農業普及指導センター
赤坂酒米で「グローバルGAP」赤坂特産雄町米研究会…JA岡山東

フォロー

新しい投稿をメールで受信しましょう。

現在2,766人フォロワーがいます。