酒米「雄町」発祥の地のおひざ元にある 高島地区(岡山市中区)は、県内随一の ”お飾り”の産地。
お飾りに使うしめ縄用の稲の品種は多くが「アケボノ」だそうですが、大きなサイズのお飾りを作成するにはさらに長い丈が必要で、一部の農家では「雄町」も栽培しています。
そのうちの1軒、高島雄町米振興会 に所属する水田さんが、ちょうどお飾り用の「アケボノ」と「雄町」の種をまくと聞き、ようすを見に行ってきました。
お飾り用の稲の栽培は酒米や一般米のそれとは異なり、お盆までには青い状態で刈り取りを済ませます。
お飾りを結いやすくするため、細くやわらかい藁に仕上げるのも特徴です。
同じアケボノや雄町でも、栽培こよみもまったく異なります。
食米としてのアケボノや酒米としての雄町の田植えは6月中旬~。
それに対してお飾り用のそれは遅くともGW中に種まきを済ませるスケジュール。
アケボノや雄町の田植えが近づき、水路に水が入るころ、こちらの田んぼにようやく水が入り、真夏の刈り取り時期まで一気に丈を伸ばします。
ここ高島地区のお飾りの生産農家さんは、稲の栽培からお飾りの制作までを1軒の農家さんが一貫して手掛けるそうで、水田さんも「雄町」や野菜などの栽培と並行しながら1年かけてお飾りの制作を担っています。
近年は生活様式の変化や外国産、担い手の高齢化等の影響を受け、生産者が減少。
それでも水田さんは彰さん、京子さん夫妻と息子の純さんの3人で産地の伝統を受け継いでいます。
こんな風に「雄町」の産地には、地域の風土に寄り添ったさまざまな横顔があります。
機会があれば各地から、こうした話題もお届けできればと思います。
もちろん、高島のお飾り用稲の生育状況のその後も!
楽しみにしていてください🌾
「「雄町」のふるさと高島地区で なにしょん(何しているの)?~正月飾り用 イネの種まき(アケボノ・雄町)」への4件のフィードバック