平喜酒造で一泊二日、充実の酒づくり体験実習。

平喜酒造NPO法人岡山地酒応援団が主催する「酒づくり体験実習」。
今年は「喜平」や「新婚」などで知られる浅口市鴨方町の平喜酒造さんの協力のもと、実施されました。

「酒づくり体験」が行われるこの時期は、各蔵の酒造りの最盛期とも重なります。
そんな中、2日間にわたり貴重な体験の機会をいただけるのは大変ありがたいことです。

平喜酒造といえば、県内でももっとも多い醸造量を誇ります。
大きな仕込みを担う「黎明蔵」と、少量手造りにこだわる「豊穣蔵」とを有しますが、今回は両蔵の作業を体験できるとあって、期待と気合が増し増し。

平喜酒造オリジナルの洗米機さて、初日。
午後1時から始まった最初の作業は、洗米でした。
といっても、最近の洗米は気泡で洗うタイプの洗米機を使用。
10kgずつに小分けされた袋を洗米機へ投入し、その後の掛け水までを担当する人や、浸漬から水切りを担当する人など、手分けをして行います。
洗米後の掛け水ちなみにこの機械は、10年ほど前に原杜氏が考案したものだとか。
ジェット気泡式の洗米機が広まる随分前から使っているそうです。
作業は、洗米2分間と、掛け水にも2分間。
大量の水が必要ですが、ここは大事な原料処理工程。
惜しんではいけません。
洗米・浸漬後の水切り蔵人さんの作業を見せてもらったところで、私たちも手分けをして手伝います。
「体験」とはいえ、ここではいち蔵人としてガッツリこなします。

上の写真は、浸漬後の水切り作業。
米の入った袋を前後に振り、遠心力で水を切ります。
コツさえつかめば作業は楽なはずですが、不慣れな私たちにはなかなかの重労働。
この作業は2日目にも行われ、私の腕はすっかり筋肉痛になってしまいました。

<洗米の記録>
※初日:・アケボノ50%の留(とめ)掛米 280kg
・アケボノ65%の仲(なか)麹米 60kg
※2日目:・五百万石45%の酛麹米 60kg
・アケボノ65%の添掛米100kg
・アケボノ65%の留麹米110kg

アケボノ55%酛麹の種切続いて、麹室へ。
午前中に引き込んでおいたアケボノ55%の酛麹米の水分を、室内でじっくり時間をかけて飛ばし、目標の水分量になったところで”もやし(種麹)”を振ります。

私たちは、時折手を入れる際にお手伝い。
そして、酒造りの話も、さまざまに。
床揉み作業後の水分量を当てるクイズ(?)も、いい勉強になりました。

普段の取材でも、そこまで話していただく機会はそうそうありません。
もっとも私の知識が乏しいから、聴いたところで分からないというのもあるとは思いますが。

種付け直後の麹

揉み上げ後の酛麹米。
触っても米粒が手につかず、さばけのよさがよく分かりました。

麹室にいた時間は、3時間近くになるでしょうか。
ここで初日の作業は終了。
夜は蔵人さんとともに美酒鍋と「喜平」や「鯨正宗」を味わい、酒談義に花を咲かせました。

そして、翌日は早朝5時半に作業を開始。

早朝5時半の豊穣蔵今度は岡部東一郎さんが杜氏を務める「豊穣蔵」で、「鯨正宗」の酛麹の出麹をお手伝い。

豊穣蔵_出麹

といっても、ハクヨー五段盛の自動製麹機から取り出して仕上げるだけなので、作業はあっという間に完了。
個人的には、ここに五段盛の製麹機があることに驚いたのでした。

豊穣蔵の麹(アケボノ65%)破精もいい感じ。

麹の切り返し作業そして、前日引き込みを行った麹室へと移動し、今度は切り返しという作業を体験。
上の作業を行っているのは蔵人さんですが、私たちも一部をオール手作業でさせていただきました。
これが、思いのほか難しい。

麹の切り返しここでばらばらにしておかないと、米一粒一粒にきちんと菌がまわらず、いい麹にならないからです。
それでも、原杜氏の声掛けのもと、次第に私たちの作業のリズムが合ってきて、どうにか合格点の仕上がりに。
この感触、忘れないようにしたいなぁ。

さらに、前日洗った米を木の甑(こしき)に張り込み、1時間ほど蒸す間に、テキパキと朝食を準備。
ここでも、蔵人さんたちとささっといただきます。

蒸気が立ち上る蔵そうこうするうちにすっかり陽は昇り。
甑からもくもくと立ち上る蒸気が、キンと締まった冷気と青空によく映えます。

木製の甑で蒸きょう8時半頃だったでしょうか(もう記憶があいまい)。
いよいよ蒸し上がり……

蒸し上がり

蒸米を掘り出す蔵人さんが掘り出した蒸米を、まずは布の上に広げて軽くさらします。

蒸米の放冷さらした蒸米は、先ほど出麹を行った「豊穣蔵」へ。
新たな麹米を引き込み、種切りを行うところまで手伝います。

豊穣蔵_岡部東一郎杜氏種を切る、岡部杜氏。

「鯨正宗」の酒質設計は何年も変わっていないといいます。
これぞ、長年愛飲するファンに支えられている証拠。
そんな大切なお酒の造りに少しだけでも関われて、幸せです。

さらに、残りの蒸米は放冷機に掛けたあと、大きな仕込みを行う「黎明蔵」の3階(といっても、高さは4階に相当する)へ。
階段を上へ下へと何度も往復し、タンクまで手運びして仕込み完了。

やり切った!と思ったら、最後に大量の洗米再び(笑)。
朝が早かったので、午前中がやたら長く感じられました。
しかし、2度目の作業ということもあり、参加者の動きもよりスムーズ。
これですべての予定が終わりましたが、もっと知りたい、学びたいという欲が募るばかりでした。

いつもの酒づくり体験ではなかなかここまで携わる機会がなく、今回のようにかなり突っ込んだところまで教えてもらえたのは本当にありがたいこと。
個人的には、とても実のある2日間でした。

感謝しか、ありません。

ここで学んだ知識はきっと、自分の取材の仕事で活きる機会があると思っています。
ここの蔵がどうで、あちらの蔵がどうだということではなく、概念を学ぶことで、各蔵の考え方が見えてくるのではないかと期待しています。

平喜酒造の皆様、本当にお世話になりました。
そして、毎年貴重な体験の機会を作ってくださる岡山地酒応援団の末次威理事長にも感謝を申し上げます。

来年はどちらの蔵でどんな体験ができるか、今からとても楽しみです。
ご一緒した皆さん、ぜひ来年もともに学びましょう。

 

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2件のコメント

  1. 岡部さん直伝、「手動式放冷」の様子は番外編にてご紹介下さいませ(笑)

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