第105回 平成28酒造年度全国新酒鑑評会

全国新酒鑑評会 製造技術研究会

第105回 平成28酒造年度全国新酒鑑評会 製造技術研究会が5月24日(水)、東広島運動公園体育館で開催されました。
昨年を6点上回る860点が全国の製造場から出品され、うち437点が入賞。
さらに決審で242点が金賞酒に選ばれました。

受賞された酒造場の皆様、おめでとうございました。

広島国税局ブース原料米の品種や香味の特徴など、年々出品酒の酒質傾向が多様化する中、今年度の審査においては「多様性を重視し、現在の主流の出品酒と香味が異なるということだけで減点することのないよう、一つひとつの出品酒に向き合った審査を実施した」と、記者発表した独立行政法人酒類総合研究所の藤井力氏。
出品酒を丹念に利くと、確かに受賞酒は以前ほど一方向に偏った香味ではなく、香りが比較的穏やかなものでも味わいに膨らみがあり、酒質に輪郭とキレが明確に感じられる酒が入賞あるいは金賞を獲得していたように感じました。

今酒造年度は、近年の原料米が溶け易い状況から一転、溶けにくい傾向にあったようで、原料処理に苦労した製造場も少なくなかったとか。
そんな事情もあり、今年の出品酒は全体的にきれいな酒質傾向だったと酒総研は総評。
それでも、全体のグルコース濃度や日本酒度は昨年とほぼ横ばいとのことで、甘みを特徴とする傾向にあることは変わりありません。

出品酒が多様化しつつある中、審査方法においてもさまざまな意見がありますが、主催者もまた試行錯誤の最中にあるようです。
「その年に製造された清酒を全国的に調査研究することにより、製造技術と酒質の現状及び動向を明らかにし、もって清酒の品質及び製造技術の向上に資するとともに、国民の清酒に対する認識を高めること」という目的を、出品、評価の両面でどう生かしていくか。
注視していきたいと思います。

地元・岡山勢は3点が金賞、3点が入賞。

金賞受賞_極聖「極聖(きわみひじり)」を醸す宮下酒造は、今酒造年度で7年連続の金賞。
岡﨑杜氏になってからは実に6年連続の受賞と、素晴らしい成績を残しています。

金賞受賞_喜平先の備中杜氏自醸清酒品評会でトップを収めた「喜平」平喜酒造は、”全国”でも貫禄の金賞。

金賞受賞_大典白菊同じく備中杜氏自醸清酒品評会で2位だった「大典白菊(たいてんしらぎく)」白菊酒造も3年連続の金賞でした。

入賞は、室町酒造(櫻室町)、熊屋酒造(伊七)、丸本酒造(竹林)
金賞との差は、旨みとキレとのメリハリかなと、個人的には思いました。
そんな中、王道の山田錦でなく地元の雄町米で挑戦する蔵元が増えつつあるのは素晴らしいこと。
御前酒蔵元辻本店さんは今年は雄町、しかも菩提酛でチャレンジしたというのです。
もちろん金賞を目指して酒造りをするわけですが、そこに造り手の強いメッセージを込める姿勢にも感銘を受けます。
来年、再来年と挑戦を続けて、ぜひ大きな成果を手にしてほしいと願います。

雄町といえば、茨城県の結城酒造が雄町38%の純米大吟醸酒で金賞を受賞したのが、私にとってはホットなトピックでした。

金賞受賞_結ゆい膨らみのある旨みがとてもきれいに表現されていて、後口も心地よく。
素晴らしい調和に感動しました。
雄町のおひざ元、岡山の造り手の皆さん、利きましたか!?

一部の地元の蔵元さんからは「来年は雄町でチャレンジするから!」という声も聴きました。
しかも純米で、という蔵も。頼もしい。
頑張って欲しいです。期待しています。

「雄町」で醸した出品酒他県でも雄町の出品酒が散見されました。
出品酒から見える造り手の何らかのポリシー。

金賞受賞_大那栃木県の菊の里酒造(大那)は、「吟のさと」で金賞。
味が開くまでに時間を要するイメージが「吟のさと」にはあるのですが(地元の酒ではことごとくそういう印象を受けて来た)、旨みをしっかりと引き出していて、とてもバランスのいい仕上がり。

入賞_富久長酒米へのこだわりといえば、「富久長」(今田酒造本店)も。
同蔵でのみ使われている広島酒米のルーツ「八反草」で醸した酒が入賞を果たしたのです。

今年は特に地元米で醸した出品酒や純米での出品酒に注目してきき酒しましたが、年々の酒質の向上に造り手の意思と努力の跡を感じました。
半年間、酒造りに全霊を込めた皆様に敬意を表し、これからも一杯一杯を大切にいただきたいと思います。

 

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