平成27年産雄町米の農産物検査結果と雑感。

今年の岡山県の気候は、雄町米をはじめとする晩生の米にとってややツライものになりました。
出穂期から登熟期にかけて続いた日照不足に低温。
収穫も1週間から10日程度の遅れが出て、精米や醸造スケジュールにも影響が及びました。

そして今、醸し手からは「今年は去年以上によう溶ける」との声が。
米自体かなりやわらかく、自社精米をしている蔵元からは「例年よりも精米時間がずいぶん短かかった」とも。
醪の温度管理など例年以上に神経を使わなければならず、気が抜けない日々が続いているようです。

日本酒の原料である米は農産物なので、その年の気候の影響を受けるのは致し方ないこと。
農産物検査の結果は情報として受け止めても一喜一憂することなく、私たち飲み手は日本酒との一期一会を楽しみたいものです。
なぜなら、日本酒は原料がすべてではなく、造り手の技術によるところが大きいから。

過去にも米の出来が悪いにもかかわらず 出来上がった酒は軒並み素晴らしかった……なんていう経験を幾度となくしています。
それに、昨年とはまた違った味わいが待っていると思うと、ワクワクします。
などと言うと、造り手には大きなプレッシャーを与えることになるのかもしれませんが。

・・・・・

先日、11月末現在の農産物検査の速報値が発表されました。
平成27年産米の農産物検査結果 平成27年11月30日現在(速報値) (出典::農林水産省ホームページ)
それによると、今年 岡山県で収穫された雄町米(総計2,278t)のうち特等が0.7%(H26年産は9.5%)。
以下、1等75.2%(同68.7%)、2等11.1%(同5.5%)、3等8.2%(同10.2%)という結果でした。

速報値だけ見ると特等の比率が昨年を大幅に下回っていますが、JA全農岡山によれば、今年の数字が平年値とほぼ同様とのこと。
ちなみに、全農岡山の実績では平成26年産雄町米の特等比率が全取扱中15%だったのに対し、今年が1%。
この27年産実績こそが平年の特等比率に匹敵するそうで、農林水産省発表のものと同じ傾向を示しています。
確かに去年は生産者さんも驚く好結果だったわけで、数字が下がったと判断し落胆するのは、ちょっと違うと感じています。

とはいえ、今年は1等米でも青米が多かったのは事実(写真参照)。
これもまた、日照不足や低温の影響を受けているのではないかと。
心白が入っていないものも、ちょっと多いかなぁ。
2015年雄町の玄米さらに今年は「胴切米(くびれ米)」が多い年でもあったとか。
今年収穫した玄米に散見されたもので、米粒の真ん中には切れ込みがあります(下の画像を参照)。
県南部で収穫された雄町米に多く発生したそうです。

原因は、出穂や開花期から10日間の低温や、出穂前の日照不足にあるのではないかとのこと。
出穂・開花期の天候や気温がいかに大事かということを、毎年毎年思い知らされます。
それでも、ほとんどこの段階になれば、天候を祈るしかないのです。
生産者さんのイライラや胃がキリキリする状況も、素人ながらに伝わってきます。
雄町の胴切米(くびれ米)

しかし、なんだかんだ言って、多くの生産者さんは1等をきっちり出してきます。
もちろん、例年通り厳しい検査の中で、です。
土づくり、代掻き、田植え後の水管理や適切な予防など、それまでの生産者による細やかな対応があってこそだと思います。

雄町米が各蔵元に届けられ、これからは醸し手に委ねられます。
早いところでは雄町の新酒の便りも聞こえてきました。
じっくりいただいて、27BYの雄町のお酒を存分に堪能したく思います。
すべての造り手に、敬意を表して。

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