「酒蔵萬流」で紹介した丸本酒造さん(岡山県浅口市)。稲刈りまっ只中の自社田で、コンバイン初体験。

稲刈り中の圃場(矢掛町)10月1日に発行された『酒蔵萬流』007号で紹介した丸本酒造さん(岡山県浅口市)を訪問。
取材に訪れた頃はまだ田植え前だったのに、蔵の前に広がる有機の圃場はタッチの差ですでに刈り取りを終えていました。

とはいえ、有機以外の圃場の稲刈りはこれからが本番。
貴重な時間をいただき、人生初のコンバインを体験させていただくことに。
さらに、蔵のある鴨方町とその隣町の矢掛(やかげ)町に 30年かけて築いてきた自社栽培田を、蔵元の丸本仁一郎(にいちろう)さんに案内していただき ぐるりと視察。

それはそれは、素晴らしい時間でした。

まずは、同社の米作りを統括している戸田敦詞さんの案内で、矢掛町の圃場へ。
山田錦の刈り取りを、少し体験させていただきました。

この日”お手伝い”した田んぼは、1枚あたりが一町歩という大きなもの。
隣り合わせの2枚を、大小のコンバインでそれぞれ刈り取っていきます。

まずは、小さい方の三条刈りコンバイン(ヤンマー GC322)を 初操作。
はじめは恐る恐る前進させるも、慣れてくるとなかなか楽しく。
蔵人さんが傍についていてくださる安心感もあるからなのですが……

ヤンマーコンバインGC322刈り取りの跡

なかなかどうして、真っすぐに刈れました!

続いて、隣の田んぼで 大きいコンバイン(ヤンマー GC70)を操作。ヤンマーコンバイン GC70この機械がまた、すごい。
トップスピード(5速)にもなると、人が駆け足するくらいのスピードが出るのです。
これまた最初はドキドキしながら、1速からスタート。
刃の上げ下げを調節しながら、丁寧に刈っていきます。

ヤンマーコンバイン GC70②ええ……来年もお手伝いに行ってよいでしょうか??
この日は手刈りはできませんでしたが、時間さえ合えば 米作りのすばらしさと奥深さ、大変さとやりがいを田んぼの上で学びたいです。

山田錦の籾

脱穀後の山田錦の籾。
実太りもよく、きれい。

このあと蔵内にある乾燥機にかけられ、30度程の温度でゆっくりと丁寧に乾燥させていきます。
乾燥機への張り込みも、少しお手伝いさせていただきました。

刈り取りと乾燥を同時進行するには、マンパワーも必要。
丸本酒造さんでは、日々の刈り取りと仕込みのスケジュールや人員の配置を綿密に組み立てていました。
有機の作業マニュアルをゼロから作ってきた同蔵にとって、それが当たり前のこととなっている点にも感心。

みなさま、お邪魔いたしました。

午後からは、丸本仁一郎さんとマンツーマンで、有機談義と圃場巡り。
あらためて、取材時にも少しだけ見せていただいた 膨大な量の有機のマニュアルや作業記録などをじっくりと見せていただきました。

有機の作業マニュアル類を収めた書棚

米作り、酒造りの工程を分解して、一つひとつの作業内容をつぶさに記録。
併せて、作業に使用する資材の素材一つひとつに至るまで「トレーサビリティ」を徹底しなければなりません。
たとえば、遺伝子組み換えをした材料が資材に使われていないことを証明する文書を 各メーカーから発行してもらうのは、必須。
大変なことではありますが、これを見れば 丸本酒造の酒造りだけでなく 原料を育む場所からすべてがガラス張りになっていることが理解できます。

有機は本来 環境保全が主目的ですが、消費者にとっての安心・安全が担保されていることも実感します。

丸本社長に言わせれば、今や企業でISOが当たり前に行われているのと同じこと、だとおっしゃいます。
そして、マニュアルを厳守しながら有機の米作り、酒造りを遂行する蔵人たちにおける意識の向上は、大きな副産物だったようです。
こうした取り組みを業界でいち早く行った蔵が岡山にあることは、大きな誇りです。
もっと知っていただく努力をしていかねば――。

矢掛の圃場①さらに、丸本社長の案内で、矢掛町に点在する山田錦やアケボノの圃場をぐるりと視察。

矢掛の圃場②ここには日本の原風景が広がっています。
どの角度から見ても、美しい。
溜息が出ます。

丸本酒造 丸本仁一郎さん丸本仁一郎さん、ありがとうございました。
米の収量や等級よりも「育ち」を大事にした米作りにいち早く気づき、自社栽培の道を真っすぐに歩んできた丸本酒造さん。
30年前には、ここには書けないさまざまな苦労を経験してきたといいます。

稲の立ち姿を見て、米の良し悪しを冷静に分析する仁一郎さん。
品質を求める米作りにゴールはないと思いますが、その姿を見ていると 同じ暦、同じ気候、同じ経過をたどることが二度とない毎年の米作りを 心から楽しんでいるように感じてなりませんでした。

刈り取りは今月一杯続きます。
このまま晴天が続き、良質な米が収穫できますように。蔵前の田んぼから、蔵をのぞむ。田んぼから見下ろす、酒蔵。
この景色、地域の宝ですね。

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