宮城酒蔵見学(1)浦霞醸造元・佐浦

4月の蔵見学レポート。
1日目はなんと、地元の方もビックリの大雪!
その影響で、蔵訪問に誘ってくださった日本酒学講師仲間が 1軒目の訪問を断念するアクシデントも(ごめんなさい。私たちだけ伺うことになって……)。

宮城県塩竈市にある「浦霞(うらかすみ)」蔵元、佐浦さん。
ご覧の通りの雪、雪、雪。
日曜日にも関わらず(蔵はお休み)、営業の荻原さんが案内してくださいました。
ありがとうございました。

浦霞
このたび訪問した本社蔵は、JR本塩釜駅から徒歩数分の場所に立地。
塩釜湾からほど近い位置にあり、3.11の震災時には一升瓶換算で(確か)3万本分もの打撃を受けたとか。
それでも同年内には復旧。
次のつくりに間に合ったのは、何よりでした。

早速、蔵内を見学。

(左)洗米器、(右)手洗い用の竹ざる左は50年ものの現役洗米機。右は手洗いで使用する竹ざると浸漬箱。
7kgずつ丹念に洗ってゆきます。
ステンレス製のざるを使っての手洗いはよく目にしますが、米が割れたりくずれたりするのを防げるとの理由で、こちらを使っているそうです。
また、水抜きをする際上下の吸水差が出ないよう、浸漬箱は浅めにしてあるとか。

甑(こしき)回転式の甑(こしき)は、米1500kg用と2300kg用の2台態勢。
ちなみに2300kgの甑でごはんを炊いたら、一人1日3食食べてなんと30年分!

麹室(こうじむろ)と枯らし場左は麹室。
震災の影響で、壁と床を貼りかえたそうです。
天井には厚さ1mに及ぶもみ殻が。
さらに無垢材の呼吸とのダブル調湿効果で、質の良い麹づくりに貢献します。

右は、二昼夜かけて作られた麹を置いておく「枯らし場」。
最低1日置いて、麹を乾燥させます。
こうすることで麹が締まり、低温長期もろみにも耐える(すぐに溶けてしまわない)ことができるわけです。
淡麗な酒質に仕上げる南部流のつくりならでは。
岡山など西日本の酒蔵を見学した中では、これだけ立派な枯らし場は見たことがありません。
(中にはお持ちの蔵元さんもあるかもしれません、あくまで私の経験談)

下は、きれいに破精(はぜ)た麹。
口に入れると、ほっくりとしたやわらかな甘みが。
麹米

酒母タンクが並ぶ蔵内酛場(酒母室)と仕込みタンクがある、築150年の「享保蔵」。
釘を一切使わず木材を組んで建造されています。
酛場は上階に、仕込みタンクはここから見下ろす位置にあります。
酒母元気に湧いていました!

仕込みタンクが並ぶ享保蔵
酛場から下をのぞくと、仕込み用の2tタンクが並んでいます。
以前はホーロー製を使用していましたが、震災後に総入れ替えし、今はオールステンレス製。
床下には冷風の効いた部屋があり、タンクを効率よく冷やすことが可能だとか。

櫂棒も長い!タンクが大きいだけあって、櫂棒(もろみを撹拌する際に使う道具)も長い!

明かり取りのロウが燃え、焦げた跡さて、これは……?
手すりについた、大きな痕というか、傷というか。
実は昔はここにロウソクを立てて灯りを取っていたわけですが、そのロウが手すりに燃え落ちて焦げた跡なのです。
こういうところにも、蔵の歴史を感じますね。

木桶
そしてそして、9年前、創業280年を記念して導入したという木桶「280号タンク」。
昔ながらの酒づくりに立ち返り学ぶ目的で、山廃純米を年3回ほど仕込んでいるそうです。

木桶仕込みにはノスタルジーや風情を感じますが、実際は手入れが大変。
夏は日光消毒をし、仕込みの前にはまず水をはって板と板の間の目を詰めてから熱湯消毒を経て、はじめて仕込みにかかれるのです。

こうして蔵を訪ね蔵人さんの話を聞くと、お酒が出来上がるまでの「見えない工程が」たくさん浮かび上がってきて、感謝の気持ちで一杯になります。

利き酒タイム
そして、利き酒で〆。
左から木桶仕込み山廃純米酒 貮百八拾號、浦霞 禅 純米吟醸、芳醇辛口純米 浦霞。
木桶仕込み山廃純米酒は、今月発売(されたはず)。
右の芳醇辛口純米は久々の新商品だそうです。
禅は、40年にわたるロングセラー。
いずれも料理の風味を邪魔せず、それ1本で十二分に楽しむことができます。

時間が許せば、塩竈のお寿司と浦霞でランチを楽しみたかったなー。
というのが、大きな後悔(笑)

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